Vol.1 ヴィヴィアン・ウエストウッド回顧展

The Early Years から Let it Rock まで

ロンドン ヴィクトリア・アルバートミュージアム

現在のファッション業界では、ある意味異色といえるデザイナー、ヴィヴィアンウエストウッド(Vivienne Isabel SWIRE)。彼女の34年間に渡るファッション史が4月1日から7月18日までロンドンのヴィクトリア・アルバートミュージアムで展示されました。

王室の美術館が一人のデザイナーをこれほどの大きな規模で取り上げたのは過去に例が無く、彼女が、英国のファッション業界において如何に大きな存在であるかが、このことからも理解できます。

地下鉄の駅構内には、ヴィヴィアン展のポスターが。当初は7月11日まででしたが、余りの人気に1週間延長され18日までの開催となりました。

地下鉄のサウスケンジントン駅。近くにはヴィクトリア&アルバートミュージアムだけではなく、ロイヤル・アルバートホール、ロイヤルカレッジ・オブ・ミュージック、自然史博物館などが立ち並んでいます。

こちらが正面玄関。ミュージアムそのものは入場無料(3ポンドの寄付が必要です)ですが、ヴィヴィアン展入場は8ポンドの別料金。

初期 (The Early Years)

教師を目指していたころのヴィヴィアン。当時はファッションに興味を持ちながらも、まさか世界的なデザイナーになるとは彼女自身も気が付いていなかったようです。

ヴィヴィアン・イサベル・スゥエアーは1941年4月8日イギリスのダービーシャで、綿紡工場に勤める母親と靴メーカー出身の父親の間に生まれました。その後、1950年にロンドンへ移り住みます。

16歳でグラマースクール(公立中等学校)を卒業した後、芸術大学に進学したヴィヴィアンはそこでファッションと銀細工を学ぶことになります。しかし芸術の世界で生計を立てていくすべを知らなかった彼女は、工場で働きながら、小学校教師になる為の勉強を続けます。

1962年には、デレク・ウェストウッドと結婚、1963年には、最初の息子(ベンジャミン)が生まれました。 1950年代、ティーンエイジャーだったヴィヴィアンは、学校の制服を自分自身でカスタマイズすると共に、ファッショナブルなペンシルスカートや「ニュールック」ドレスなど多くの衣服を製作しました。また、1ヤードの生地から、一本の針だけを使ってノースリーブシャツを自作したことも記録されています。

当時の倹約と独立精神は現在でもヴィヴィアンウェストウッドのキャラクターとして生きています。彼女は長年ロンドンで暮らしており、会社の経営は現在でも彼女自身の手に握られています。

レットイットロック 1971年〜

「レットイットロック」のショップの前でのスナップ。右端がヴィヴィアンウエストウッドです。

ヴィヴィアン・ウエストウッドは、1965年、マルコム・マクラーレン(Malcolm McLare)に出会い、翌年には息子ジョーゼフ・ファーディナンド・コーが生まれます。二人の仕事上の関係はパンクファッションがこの世に生まれた1970年から1983年まで続けられ、ヴィヴィアンは当時を振り返り「開けるべき非常に多くのドアがあると感じたわ、彼がそれらのすべての鍵を持っていたのよ」と語っています。

この言葉からも分かるように、マルコムとのパートナーシップは、ヴィヴィアンがデザイナーとして成功する大きなきっかけとなったことは間違いありません。

マルコムはストークニューイントンで1946年に生まれました。1964年から1971年の間美術学校に通い、ファッションと音楽に取りつかれていました。当時支配的だったヒッピールックを拒絶し、不良少年のような衣服をまといながら、刹那的なロックンロールミュージックを集めるといった暮らしをしていたようです。

1971年、マルコムは「レット・イット・ロック」と呼ばれる店を開店。そこでは彼がデザインしたコートやジャンパーなどが販売されていましたが、その後10年に渡って、彼は頻繁に店を改装しその独自性を保ってきました。

船の上で仲間たちとの一こま

余りにも有名なエリザベス女王のパロディTシャツを身に着けるヴィヴィアン

これが下の写真にあるVenus Tシャツの実物です。隣は店内でくつろぐヴィヴィアン

Let it Rock 店内で撮影されたヴィヴィアンとマルコム

彼女は1970年代にパンク・ロックの出現に重大な役割を演じ、私たちの時代の最も個性的で最も影響力があるデザイナーのうちの1人になりました。

彼女自身が時代を反映するファッションそのものと言っても過言ではなく、「ファッションは抱き上げて下に置いたことのない赤ん坊」であると語っています。 彼女のデザインは英国の伝統と斬新な感覚を大胆に組み合わせることが特徴で、あまりにも有名なオーブのモチーフは、そんな彼女の"伝統をもって未来を創る"というデザインコンセプトの象徴となっています。

レットイットロック時代を代表するコレクション。向かって右がGene Vincent and his Bluecaps。左はPlastic pockets with photographs のTシャツです。

こちらも有名なロックTシャツの実物。鶏の骨&鎖で装飾されています。

セックス・ピストルズのコンサートチケット。NO FUTURE(未来なし!)1枚5ポンド(約1000円ちょっと)です。

Rock Tシャツ Boiled chicken and chains (Let it Rock Collection)

Gene Vincent and his Bluecaps with Norton motorcycle badge(Let it Rock Collection)

Venus Tシャツ Customised with househair,studs,badges and chain(Let it Rock Collection)

PlasticPockets with photographs(Let it Rock Collection)

その後、「Let it Rock」 は、「Too Fast to Live Too Young to Die」(1972年) 、「SEX」(1975年) 、「SEDITIONARIES」(1976年) と店名を変え、新しいファッションを提案し続けることになります。

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