2007/05/01

諦められないのはボクシングだけじゃなかった

現在、公開中の「ロッキー・ザ・ファイナル」。今更、説明する必要もありませんが、今から30年前の76年に製作された「ロッキー」の最終作です。

一作目は、制作費がわずか100万ドルの低予算でありながら米国だけで1億ドルを超える興行収入になった歴史的な大ヒット作。続編もヒットを続けますが、前作の「ロッキー5」から17年経って、しかも還暦を迎えるシルベスター・スタローンが何故、再びボクシングに挑戦するのか?

スタローンは1946年生まれの60歳。日本では、団塊の世代(米国では、ベビーブーマー世代)の代表ともいえる存在。この世代の方々の多くがこれから定年退職を向かえますが、昔と違い、まだまだ年寄りとはいえない肉体と精神を兼ね備えており、老後をのんびりといった生活設計は似合わないのは明らかです。

とは言うものの、スタローンが公開前のインタビューで語った「どんなに笑われようともやりたかった」という強い意志を持って挑戦できる人が実際どれほどいるかというとちょっと疑問。

映画の中で、年寄り揃いのプロライセンス審議会メンバーに対して「人は歳とともに色々なものを失う。残ったわずかなものまで奪わないでくれ。幸せを求める権利を奪わないでくれ!」と叫ぶシーンがありますが、映画全体が、歳とともに挑戦を諦めてしまった人達に対しての大きなメッセージとなっています。

映画の前半は、過去の栄光を懐かしく思うノスタルジックな展開、映画を観た人の多くが、こんな年寄りに試合ができるのか?何て心配されたと思いますが、「瞬殺」の異名を持つ無敵のチャンピオンとの試合が決まったのをきっかけに、過去の呪縛から開放され、厳しいトレーニングを経て感動の試合シーンへと展開していきます。

無茶とも言える挑戦が周りの人達の心を動かすのは、容易に想像できますが、そのひた向きさによって彼女までできちゃうというロマンスのオマケが付いているのにも、同世代の人達にとっては考えさせられる展開と言えるでしょう。

スタローンは「自分と同じベビーブーマー世代へのエール」という表現を使っていますが、60歳になって仕事も恋愛も手を抜かない姿は、是非見習いたいものです。今更、ボクシングは無理でしょうが、ロマンスならまだまだ可能性があるかも分かりませんからね。

アイラブブランド

小西清貴

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