2006/03/07

ファッションはお金儲けの道具?それとも芸術?

ファッションビジネスっていう言葉があるくらいですから、その中心的な役割を担っているデザイナーもビジネス的な感覚が必要なのは言うまでもありません。しかし、ピカソやゴッホがビジネスマンでなかったように、芸術とお金儲けは相容れないのもまた事実です。 (ゴッホは生前に売れた絵はたった1枚だったことは有名です。)

スピード命の現代社会において、亡くなってから評価されるなんてのはナンセンスな話ですが、多くの人々に受け入れられやすい無難なデザインでは、会社の上司には評価されてもデザイナーにしか出来ない大きな使命を全うすることは夢のまた夢でしょう。

日本にはファッションに興味のあるお客様が沢山おられ、特に若者のファッションは世界をリードするほど高い評価を受けています。しかしながら、ビジネスとして成功しても、世界に誇れる文化として高められてこなかったのは、何もデザイナーの能力だけが原因ではありません。

先日の日経新聞にジュンコ・コシノ、三宅一生、森英恵などがNPOや財団を作って美術館振興、デザイナーの育成、過去の作品の保存、資料化など、収益とは直接結びつかない事業に取り組んでいることが
紹介されておりましたが、ヨーロッパでの生活が長い彼らが感じる危機感と、国の文化に対する無策さに対する苛立ちが感じられる記事となっていました。

今週はバイヤーズVOICEのコーナーで、ヴィクトリア&アルバートミュージアムで行われているカステルバジャック展の模様をご紹介しておりますが、寄付で運営されているこの美術館には、過去のテキスタイルやデザイナーの作品が、貴重な絵画や彫刻と同じように保存、展示されており、多くのファッション関係者が訪れています。

 (ヴィヴィアンウエストウッドも、この美術館を訪れ、歴史的な装いからヒントを得て作品を完成させています。)

また、カルティエ財団も芸術家に作品の製作を依頼、それを買い上げると言う形でメセナ活動を行っているそうです。日本の文化庁やファッションメーカーに、そんなことを期待するのは、やはり無理でしょうか。

アイラブブランド 小西清貴

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